10月のセミナー
2009年10月20日東大福武ホールでのセミナーアンケート時のコメントのご紹介と、それに対するお返事です。
- 「丁寧で分かりやすい講義でした。」
- 「おさえておくべきフレームが理解できたので日常に取り入れて練習していこうと思う」
- 「グローバルとは程遠いと思っていましたが日常でも使える!そしてまさに小さな世界の自分の仕事にも生かせそうです。自分の仕事も視野を広げグローバルに持っていきたいと思っています。先生の話し方、とてもわかりやすく素敵です。楽しく聞かせて頂き、是非実践させていただきます。」
- 「エッセイトライアングルを用いてレポートを書こうと思いました。上司への報告の事例よくわかりました。英文のレポートの解説もわかりやすかったです。エッセイトライアングルに特化した全体構成も良かったです。結論→詳細という構造を意識して報告を書く習慣を今日からスタートしようと思います。」
そう言って頂いてうれしいです。わかってもらいたいな、うまく伝えられるかなと思って心配したこと、イメージリハーサルを繰り返したこと、ファイルを最後まで直していたことなど、すべてが「やってよかった!」と思えます。ありがとうございました。
実際に海外に行かれた方、これから行かれる方から:
- 「導入部での英語、日本語の組み立ての比較していましたが、それぞれの特徴が分かりやすく、とても良いと思いました。以前、海外で仕事をしていたのですが、海外に行く前に聴きたい話しでした。」
- 「2010年度にアメリカの大学院に留学予定のため、非常に勉強になりました。GREの受験をしているときに存知あげなかったのが残念です。」
海外での仕事や勉強が決まると、やることがとてもたくさんあって、いくら準備しても足りない感じですよね。「知ってると役立つこと」として少しでも多くの渡航組の方々にお知らせさせて頂こうと思います。留学予定の方、どうぞ有意義ですばらしい時間をお過ごしください。そしてその成果をまたシンカーズに教えてくださいね。
今回気をつけてみた「実例」についてのコメント:
- 「実例に沿った話でわかりやすかった。」
- 「実際の文章の例が見れてより理解が深まりました。もう少し多くの例か例の部分の時間を多くとってもらえると嬉しかったです。分かりやすかったので。」
- 「フォード、マイクロソフト以外の事例も多く聞きたい。」
そうですね。ご紹介例が少なかったと反省しています。今回は5カ所で話をしたので、なるべく例が重ならないようにエクセル上でマトリックス式にまとめておきました。エクセル上ではたくさん用意したつもりでしたが、一回一回では三例ずつぐらいしかあげらず、確かに少なかったです。これからもっといろいろな場面の様々な例文を用意したいと思います。ご意見ありがとうございました。
至らなかったことへのご指摘:
- 「理解はできたのですが、ペースが速くメモしきれなかったのが少々残念でした。(本を読んで…ということかもしれませんが…)とてもわかりやすい話し方で、人前で話すのが苦手な自分としては是非見習いたいと思いました。ということで、今後は人前で緊張せずにうまく話す方法を知りたいです。」
- 「スライドをめくるのが速い時があった。もう少しゆっくりとしたペースで話が聞けるとなお良い。」
たくさんの情報が詰まっているのにさっさと流されては置いてけぼりをくったような気持ちですよね。丁寧に解説するように気をつけます。ご指摘ありがとうございました。
また、これに関してこのようなコメントも:
- 「今回使用された資料を紙またはデータで頂けると、とてもありがたいのですが。メモしているときに次のスライドになると、後で振り返りができなく困ってしまいます。次回、検討していただけないでしょうか。」
実はファイル事態に様々な覚え書きがごっそり入っているので、ファイルそのものをお渡しすることはできませんがハンドアウト用資料を作成してダウンロードできるように考えてみます。ご提案ありがとうございます。こちらはwww.global-thinkers.comで順次お知らせします!
内容についてのご指摘:
- 「具体的なワークをする時間があるともっとよい。一方的に話を受ける形式ではなく。」
貴重な意見をありがとうございました。実際にはワークショップを伴うべき内容で、企業や学校訪問ではワークショップを取り入れるようにしています。今後、一般参加時の課題として取り組みます。
文化の違いに対するご要望:
- 「かなりベーシックな話であったので、もう少し深くつっこんでもらいたかった。米国のお笑いやトーク番組では、どういう構成を使うのか?オチを先に言うのはまずいですし、こういう文化的な話が欲しい。」
- 「貴重な話をライブで聴けたこと、非常に幸運だと思います。私自身、英語は得意ではありませんが、思考の方法、訓練という意味で有益だと感じました。英語の思考法は万国共通なのか、たとえば中国と比較したときなど、比較文化論のような題目にも興味があります。機会がありましたら、ぜひお話を聞かせてください。」
お笑いやトークショーというのは「考える〜」本のカバー範囲以外になります。対象はビジネスと教育機関で、コメディの世界はまた別の様式がさまざまに発達していると思います。中国との比較文化論!それは面白そうです。「アジアの学生は」とひとからげにお話しましたが、中国語は英語と同じ語順で中国人の英語上達は速く、エッセイもそのコツがすぐに理解されるようです。広がりのアイディア、ありがとうございます。
こんなご質問も:
- 「すべてのまとまった話はエッセイ形式で書かれ、話されている、とおっしゃってアメリカの例を出されていましたが、グローバル=アメリカ式?という印象を受けたのですが…イギリス、世界全体がその傾向という理解でよいのですよね。」
実は7月のセミナー時に、ここのところの解説に時間を取りすぎていて、今回はそれを「英語の特性」ということで説明し(たつもりになり)省いてしまいました。おっしゃるとおり、「アメリカ=グローバル」ではありません。一国のやり方をもって世界スタンダードだと言うつもりは毛頭ありません。一方、世界的にどの言語がビジネスや国際会議に使われているかということを調べてみると、それはアメリカ英語だということがさまざまなデータで出てきます。イギリス英語、クィーンズイングリッシュももちろん使われますが、利用人口からいうと高くはありません。アメリカは移民の国ですから、例えばこの狭いニューヨーク市だけをとっても179通りの英語の方言があるそうです。この数は全世界で話される英語のバリエーション数とかなり近いのではないでしょうか。私たちが世界にむけて話をするときに使う言語はまず英語です。そして英語の中で利用人口の多い米国英語、イギリス議会政治から生まれた議論の方法を取り入れ、さらに不特定多数の人々万人にすぐわかるような話や議論の形式を積極的に教育しているのはアメリカであり、「英語=グローバル言語」の中でも特に米語とその教育を強調して話をしていました。次回からはこのへんのお話も簡潔にまとめたいと思います。ご質問ありがとうございました!
そしてこんなご意見も:
- 「エッセイ形式で書くことよりも、エッセイ形式で話すことのほうが難しいと思います。結論から先に話すことに抵抗を感じるのはドラマチックに話を展開したいという欲と人の顔色を見ながら柔軟に話をすすめていきたいという防御からでしょうか。理由を先に色々述べて、それらを全て共有したうえで皆まで言わずとも「わかって頂けますよね!?」という甘えが、あるいは日本的美徳が日々邪魔して「あなたの話は長くて、なのに何が言いたいか分からない」と言われるのでしょう。分かってはいるのですが。」
まさにそこが日本語の話の美、美学・美意識ですね。実は大きな証券会社の人事部長さんに、主張の技術についてのお話したとき、まさに同じご意見を頂きました。その部長さんは海外経験が長くて学校も海外だったため、日本にきてから話のポイントにたどり着くまでの長さに驚き、「総括を先に」ということを皆さんにおっしゃっていたそうなのです。しかしあるとき、じわじわと話を進め、丁寧にひとつひとつ説明していくと、「こんなに心を尽くして話してくれているのだから、承諾しましょう」という気になるという、日本独特の「説得の方法」に気がつき、それがとても大事であると思い至ったそうです。それ以後は、英語圏のクライアントに対する時と日本のクライアントに対する時には、話の順序を変えているというお話でした。彼はまさに、世界に冠するビジネスを作り上げてきた日本のコミュニケーション技法の良いところと、英語圏で使われている話の方法との両方をツールとして持っているのだと思います。その場で求められている形で話ができるようになると本当にすばらしいと思います。お気持ちをシェアして頂いてありがとうございました。
次回のご要望:
具体的なご要望、ありがとうございます。実際にプレゼンの組み立てや方法をシミュレートしていくようなセミナーも面白いですね。今回の事例は特にプレゼンの事例もなかったし、プレゼンの事例を解説していくとそれだけでかなりの時間になってしまうと思いますので、「エッセイトライアングル・プレゼン編」を是非構築していきたいと思います。